2003年7月
巨大クルーズ船の建造
先月6月16日アット驚くニュースが舞い込んできた。まだ契約にはいたっていないもののRCI(ロイヤルカリビアンインターナショナル社)が現在建造中で世界最大になる予定のクイーンメリー号(QM2)15万総トンを上回る16万総トンのクルーズ船を建造するという。
今月はこの巨大船のことについて興味ある業界裏話を交えながら皆さんにお話します
世界のクルーズ2強の激しい姫君争奪戦
QM2はキューナードの発注、で親会社は今年プリンセスクルーズを争奪戦の上にRCIより奪ったカーニバルクルーズという世界最大のクルーズ船運航企業。 そして片やRCIはカーニバルの横槍さえ入らなければプリンセスと合併し今頃は世界一のグループ企業になっていたはずの企業。
と説明すれば両陣営が世界最大にこだわって巨大船建造競争をやっているようにも「いるとも見えませんか?表面上は両社とも紳士的ですが心中はどうでしょう。特に婚約、結納まで交わしたのに結婚式直前にカーニバル社にプリンセスを奪われたRCI社は?もしあなたならどうしますアット言わせるようなことをしませんか。静かな第2回戦の始まりかも?
キュナードのQM2と今回RCIの新造船比較
QM2 |
英米間を定期船として運航するのに適したスレンダーな船隊、最大30ノットを誇る高速性能、超豪華な船内装飾、設備、居住空間とサービス。このため最大乗船客数は2,620名で船価はおよそ940億円(\120/US$換算)。 |
RCIの
新造船 |
従来のボイジャークラスを大型化したタイプで有りながら最大乗船客数は3,600名と逆におさえていることから予想できるのは全長は330m前後で幅は40mを越え、ベランダ付きのアウトサイドキャビンの割合が70%以上が予想される。 |
予想サイズと特徴
ところで、QM2の船の全長と幅はそれぞれ345m、39.9mであるがこれは大西洋を30ノットもの高速で横断するのに適した船型になっている。一方の RCI の16万トン型はマスマーケット対象で航路もカリブなどに限定した船で速力も20ノット程度でOK.と言うことからすると全長はQM2に譲って幅を40m以上そして海面からの高さも世界最大を狙うのではないかと考えられる。
また、計画されているRCI の新造船の客数は一部屋二人計算で3600名、現在最大の138,000総トン型ボイジャークラスの3114名の15.6%増しを考えるとボイジャークラスより甲板数をひとつ増やして海の見える部屋数及びベランダ付きの部屋数を最大限に設置するつもりではないだろうか?。いずれにしてもさらに大きな17万トン、18万トンの船が今後も建造されていくのは間違いなさそうである。
最近のRCIの新造船模型