2002年8月23日(終値) |
株価(終値) |
カーニバルコープ |
US$24.47
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ロイヤルカリビアンクルズ |
US$17.70 |
ロイヤルオリンピッククルーズ |
US$2.40 |
P & Oプリンセスクルーズ |
US$26.02 |
悪い経済指標ばかりが発表されてニューヨークのみならず世界的に株式市場は低迷した1週間となりました。クルーズ業界ではカーニバルが再度25ドル割れまで低下、ロイヤルカリビアンも17ドル台まで下がってしまいました。ところがプリンセスは頑強に株価を保っていて一人勝ちの様相を見せてきたのです。実態を反映しているとするならねらい目です。理由は下記の英国市場情報に! |
上のグラフは英国クルーズ人口の年度別推移をグラフにしたものですが、昨年の9月11日のテロ以後も順調に伸びています。この結果、もともと英国の企業であるキュナードやP&O社はいち早く英国市場専用に新たな大型船を準備するなど競合他社を寄せ付けない意気込みです。
ところで地中海を基地にしている ロイヤルオリンピッククルーズも来年2003年の夏には初めて英国市場に目標を置いたドーバー発の新たなバルチック及びフィヨルドクルーズも行うほか、英国人が地中海の基地港まで飛行機で行ってクルーズを楽しむフライアンドクルーズにも力を入れると発表しました。
(単位:千人)
使用されるオリンピアボイジャー号はこれまでどおり本船の持っている高速を活かした毎週発の東西地中海クルーズを行い、更に黒海、エジプトへのクルーズを行いますし、人気のあるベニス発、イスタンブール、及びアテネへの7日間クルーズも:英国向けには今年12月末までの予約客用に5日間クルーズで495英ポンドからそしてジェノア発の8日間クルーズでも589英ポンドからとお得な価格を設定して英国マーケット拡大を目指しています。
イタリアのベニス基地の本船
欧米では長い夏休みも終わり、今、各クルーズ企業のマネジャー達は来年の予算案作成に向けて最終局面を迎えて大忙しになります。この時、今後何年間かの市場動向予測を基にした売上、コスト、収益予測そして投資が討論され決定されていくわけですが次の2社はどのような動きに出るのでしょうか?。
プリンセスクルーズ
88,000総トンの新造船コーラルプリンセスは2002年12月、アイランドプリンセスは2003年5月の就航予定で夏場のアラスカと冬場のカリブを中心にクルーズが予定されていますが特徴はパナマ運河への訪問で大幅に拡充されます。基地となるフォートローダーデール発のカリブパナマ運河クルーズではグランドケイマン、プエルトリモン、コズメル、カルタヘナ、ガツンロックとめぐります。
ところで、話はここからで、上述の2隻に加えて更に2005年2006年に完成予定で2隻を建造するかどうかのオプションに関してアトランチック造船所との間で最終期限を9月下旬に再延期することで合意しました。言い換えればこれが最終決定日となります。
ロイヤルカリビアンクルーズ社
また、プリンセスと合併進行中のロイヤルカリビアンクルーズ社も同様にラデイアンスクラス2隻の追加発注に関するオプションを造船所と9月20日を期限とすることで延長しています。
さあ!これで9月末には将来のクルーズ市場及び業界を揺るがすかもしれない決定がなされるということになりました。
ラデイアンスオブザシー号