2002年１0月4日（終値）	株価（終値）
カーニバルコープ	US$23.68
ロイヤルカリビアンクルズ	US$15.87
ロイヤルオリンピッククルーズ	US$1.85
P　＆　Oプリンセスクルーズ	US$27.09

ニューヨーク市場は先週乱高下を繰り返しながら結局は値を保つ事が出来ずに終わった。この週は下の特集記事に有るように三菱重工業長崎工場でのダイヤモンドプリンセス号で大火災が発生するという驚くべきビッグニュースが舞い込んできた。しかし当のプリンセスクルーズの株価を見る限り冷静、悪く言えば消化し切れていない様子が見える。

10月１日午後五時五十分ごろ、三菱重工業長崎造船所で内装工事中のダイヤモンドプリンセス号の甲板前部五層目のアートギャラリー付近から出火した。火は小規模な爆発を伴いながら前方に広がって、深夜ごろには最上層最前部にあるブリッジにまで達した。被害は大きく、約束の時期での船主への引き渡しは絶望的で約二十時間後に鎮火、4日に現場検証を開始している。造船所によると、全体の六、七割が損傷したものの主機や発電機等は後部にあったため損傷を免れたとの事だ。

市消防局によると、本船は隔壁が多く、通路も複雑で消火は困難を極め、火元は十四層のデッキのうち既に、出来上がっていた中心部に近いアートギャラリーそばの客室付近とみられている。　造船所側は、現時点で廃船の考えがないことを明らかにする一方、既に起工している2隻目のサファイア・プリンセスへの影響についてはないと述べた。
なお、船体は消火時に放水された海水が船内にたまり右に傾いた状態。

１）海水をかぶった場合、一番問題なのが電器機器、配線関係で総換えが必要？

　　　　　簡単なようで、これが最も困難で大変な工事！！
。

２）船が右舷側に傾いているが火災現場が前部なのに前のめりにもならず水平を保っている映像からみて船底が海底に着地？又、放水されたビルジが後部エンジンルームにも流入している可能性もある。

　飽の浦の向島岸壁の水深は知らないがそんなに深くはないはずで擬装も進んだ
　ダイヤモンドプリンセスは相当に沈んでいるはず（燃料、資材等満載時では８ｍ前後）
　エンジンサンプタンクなどまでが水に浸かったとすると今から置換防錆処理などを
　しても、塩害は避けられない。つまり大丈夫なところは一切無い状況となる。

　　　契約した新築超高級マンションで火事が起こり、部屋が焼失し、水浸しになった。
　　　貴方なら建設会社がその後修理、補修、改装した場合そのまま買いますか？

１）船主は三菱重工に本船の引渡し時期を早めるように交渉し三菱側も突貫工事で１ヵ月から１ヵ月半早く完成させようとしていた？

一方で、５月以降、複数の放火騒ぎが有り安全指示書も出されていたことも分かっているし内装工事が終了しタところでは特防指定区画として、立ち入りが厳重に規制されていたはずである？。

２）最近、実は９月がリミットのオプション契約の決定延期をフランスのアトランチック造船所に申し入れしていた？
これは現在建造中で１０月引渡し予定のコーラルプリンセスと来年６月予定のアイランドプリンセスを契約時に更に何隻か同型船を建造する権利を得ていたものでこれを決定するべき期限が来ていたのであるが！。

難しい局面が
実は、来年の６月から新造船ダイヤモンドプリンセスは今年竣工したスタープリンセスとシアトル発そして上記コーラルプリンセスはバンクーバー発着のアラスカクルーズに投入される予定だった。
まるで、これはカリブ海で巨大船１３万８，０００総トン型のボイジャーシリーズを投入し成功したロイヤルカリビアンクルーズのようにアラスカクルーズにプリンセスは相次いで新造大型船を投入し一気にナンバーワンの位置を確立しようとしているように思える。

これはもちろん７００万人を越えた北米のマスクルーズ市場をターゲットにした動きで有るが、先月、米国出張時にも感じた事だが既に景況が悪くなる一方で個人の財布の紐は着実に固くなっていた。実際の予約状況は船主の手にあるが予想以上に悪くなっているのではないかと思える。

さあ！この火災がプリンセスにとって吉と出るか凶とでるか？クルーズ市場は供給過多の状況、米国景気の思わぬ悪化、そこにくすぶる合併問題！ここ１年目が正念場です！。