2003年・N0.20
原因は9月11日のテロ、アフガン、イラクへの米国軍の進行など中東の混乱、そしてSARSなどによるクルーズツーリズムの落ち込みが原因としているが総額2億5千万ドルの返済計画について貸し手と話し合ってきたものの合意に至ら無かったことから結局倒産した。
問題は、倒産した2つの船主の支払い保証は親会社であるロイヤルオリンピック社がおこなってきたので自動的に親会社も倒産することになった。
先週の水曜日12月17日、ロイヤルオリンピックの8つの企業のうち2つが倒産した。倒産したのはオリンピアボイジャー号の船主であるオリンピックワールドクルーズ社Olympic
World Cruises, Inc.とオリンピアイクスポーラー号の船主であるロイヤルワールドクルーズ社Royal
World Cruises, Inc., で日本の会社更生法に当たるチャプターイレブンを申請した。
この倒産によって12月22日のオリンピアイクスポーラー号のクルーズはキャンセル。また、カリブ海のセイントトーマスに停泊中のオリンピアボイジャー号も船客を乗せたままとにかく母港フォートローダーデールへ1月2日には戻ってくることになった。
ただ、ハワイ航路に入っていたオリンピアイクスポーラー号はホノルル裁判所の命令によりロスなどの米国港には入港できないのでメキシコのエンセナダに向かった。
更なる問題
とにかく現時点では見かけロイヤルオリンピッククルーズ社の関連2社の倒産とだけで他の6社は営業を継続していると言う摩訶不思議な減少が続いている。しかし起死回生の大型高速旗艦投入で失敗した以上全てが運航停止に追い込まれる可能性が高い。
しかしながら、ロイヤル・オリンピック・クルーズはギリシャのピレウスを基地に地中海、エーゲ海クルーズを運航していて日本人旅行客にも広くツアーなどで利用されているギリシャで最大のクルーズ船会社なのでこれからギリシャエーゲ海クルーズに参加予定の日本人も多くその影響は大きい。
また、既に日本の大手旅行代理店などでは来年3月のオリンピアイクスポーラー号で行く南アメリカ及び南極海クルーズは募集もされていて今後に大きな波紋を残す。
ところで日本の場合幸いなことに総代理店制のためにキャンセル料は旅行代理店から返金されるので直接、参加客に迷惑はかからないと思われる。
日本人旅行者 ->旅行会社(又は日本総代理店)->船会社の日本総代理店(アンフィトリオン・ジャパン)->ロイヤル・オリンピック・クルーズ
ロイヤルオリンピックに基地ピレウス
その影響
フォートローダーデールのオリンピアボイジャー号
なお、参考までにニューヨーク市場の最近6ヶ月間の株価推移を上にしめした。