2003年・N0.10
5月26日,日曜日の朝 6:30本船が東カリブ海クルーズからマイアミ港入港直後にボイラー一基が爆発し4名の乗組員の命が奪わ13名が病院に搬送されるという事故が起こった。幸い、2,135名の乗船客は全員無事に下船出来たが一時は騒然となった。
実はわずか10日前に本船はコースとガードによる機器類の安全に関する検査を合格したところでのトラブルだった。そして昨年11月には衛生検査でも(86ポイント以上で合格なのだが)95点というハイスコアーで合格していたことから原因は船齢が41年という高齢のせいではないかと思われている。
本船は過去にもボイラー室の火災事故、機器の故障などを起こしていて、そのころにもスプリンクラーシステム主配管の100箇所以上で漏れも見つかっていたという。
本船のトラブル史: 1962年2月からSS Franceとして大西洋横断航路でスタートし1974年10月まで続いたがジェット機旅客機の出現で中止。1977年にはアラブの富豪が2200万ドルで購入しデイトナビーチ沖のアトラクションで使用された。その後、中古船市場に売りに出されて2年後に現在の
N C L にスクラップ価格の1,800万ドルで買われてドイツの造船所で1億2千万ドルをかけて改修された。しかしながら米国に回航2ヵ月後には早くも電気系統のトラブルを起こし28時間も洋上に漂ったことがあり、また、1981年5月にもボイラー1基が破損し一日洋上に漂ったこともある。また、12月のボイラー室火災でもクルーズ2航海がキャンセル、1982年3月再度火災を起こして数時間停船した。このために1990年には更なる改造工事が行われたのである。
そのほか、2年前NCLが現在の親会社マレーシアのスタークルーズに買収された時に実は、本船を2001年9月2日マイアミ発を最終にスクラップにするという話があったが、それを惜しむ声が起こり再度改修して就航されることになった経緯がる。
マイアミ入港中の本船
船客達も大変です!!
本来ならまだ朝食をゆっくりと食べているころなのに、日曜日早朝の火災で乗船者は取るものもとりあえずに強制下船。手荷物をまとめるまもなくですから相当混乱したようです。また、当日の乗船予定者達2000名のほとんどは丁度マイアミ港に向かっていてクルーズがまさかキャンセルになったとは知らなかったので多くは港に来てから右往左往。連絡を取るにも旅行代理店等も休日で休み、家に戻るにしても飛行機がままならない。それが日本などの遠隔地の場合だと旅行自体がまったく白紙になるから本当に大変。次回いつか同じクルーズが無料だと言われてもしても。